世界で最大の氷山『A23a』が崩れ始めた!
こんにちは、pawsです。
世界一大きな氷山 A23aについてのニュースが
飛び込んできました!
A23aといえば、
1986年に南極のアイスシェルフ(棚氷)から
分離した、世界最大の氷山です。
氷山(ひょうざん)は
英語で ICEBERG(アイスバーグ)。

あれ?アイスバーグってお酒なかった?

アイスバーグはカナダのウォッカメーカーの会社名だね。
有名な『タイタニック号』は
氷山に衝突して沈没しています。
巨大な氷山の一部分が崩れたことが、
いったい地球にどんな影響を及ぼすんだろう?
と思い、この氷山について調べてみました。
世界最大の氷山A23aとは
氷山は「A38」「B15」などと呼ばれます。
世界で最大の氷山『A23a』が発見されたのは
1986年(昭和61年)のことでした。
発見されたのは南極。「フィルヒナー・ロンネ棚氷」と
呼ばれるアイスシェルフ(棚氷=たなごおり)から
分離したこの氷山(A23a)の形は平板状でした。
平板型、ブロック型、ドーム型、U字型、ピラミッド型、塔型
6つの種類があります。
黒みを帯びたもの、青みがかったものまで様々あります。とても神秘的ですね。
世界最大の氷山 A23aの場合、
面積 約3360平方キロメートル、重量 1兆トン近く!

と聞いても、スケールが大き過ぎてサイズの想像がつかない

え〜と、では面積ですが
東京ディズニーランド(TDL)が
約1713.6平方キロメートルなので
ざっとTDLが6つ分と言えばわかりやすいでしょうか?

そして重量ですが、
富士山の重さが約1兆1500億トンと言われています。
1兆トンの氷山=富士山(のような巨大な塊)が
海上を移動している、というイメージになります。

とんでもないスケール感!!
氷山 A23aはどこに向かっているの?
タイタニック号の悲惨な事故以来、
南大西洋や北大西洋の海面上で
氷山を研究し、監視するための機関が
設立されました。
氷山 A23aの初観測は1986年、
巨大な氷山が南大西洋の海面上に
浮かんでいました。
それが非常にゆっくりとしたペースですが
北上を始めたのが2020年です。
当時、自然科学系ニュースやメディアで
移動を始めたA23aのことが
取り上げられていたので、もしかすると
覚えている人もいるかもしれませんね。
A23a定点観測情報
2023年11月
南極半島の北端を通過、南極海の方向に移動していることを観測
2023年12月
局地調査船がA23aの周囲の水をサンプル採取
↓
A23aの氷がとける(溶解)と、
生命、人体に影響を及ぼす可能性のある
大量の鉱物粉塵が放出される予想があるため
2024年1月
A23aの一部(下方)の形状がアーチのようになっている様子を
探検隊がドローン撮影
ビデオグラファーRichard Sidey(Eyos Expeditions)、探検隊リーダーIan Strachanによって記録
さらにA23aの動向を追っていきましょう。
2024年春(4月)
A23aはゆっくりと移動、南極の周りを流れる南極周極流という海流に入る
2024年夏(8月)
南極半島から約603㎞離れたピリーバンク海山の海底山にある
テイラー柱に抑えられる形で、毎日約15度、時計回りに回転しながら
留まっている様子を観測
2024年冬(12月)
4ヶ月、留まったテイラー柱を抜けて南極海を北方へ移動したことを観測

巨大な氷山が、ゆっくりとしたスピードで
移動している様子が浮かんできますね。
A23a全部が崩壊したら、どうなるのか?
2025年1月に崩落した氷山A23aの一角は
長さ約19㎞、面積にして約80平方㎞と言われます。

約80平方キロメートルは、
日本で6番目に大きい北海道の湖「屈斜路湖」に相当するよ。

屈斜路湖へ行ったことがあったらその大きさが浮かびますよね。

かなりの大きさだね!A23aの氷山全体の規模から見たら
ほんの小さなひとかたまりにしか過ぎないんだね。
人間側からみれば桁外れに大きく、
氷山にすればとるに足らないくらい小さな
今回の一部崩落を、物理海洋学者や氷河学者たちは
「氷山の亀裂が進み始めた兆候」と捉えています。
今、A23aは南太平洋サウスジョージア島
に向かって移動しているといいます。
科学者たちの予測通りであれば、
ここで暖かい海流とぶつかった氷山は
自然と溶解していくそうです。
が、もしサウスジョージア島のある
大陸棚にこのまま到達すると、
島で繁殖する数百万羽もの
ペンギン、アザラシの餌場を遮断してしまうなど、
生態系に深刻な影響を与える可能性も
あるかもしれないそうです。
まとめ
これまでにも、大きな氷山が
崩壊した例はあります。
しかし、世界最大規模の巨大な氷山が
崩壊した例はないため、あらゆる場合を
想定、予測するしか今の所、方法はないそうです。
氷山は、海上を移動しないで
留まったまま浮かんでいたら
自然とゆっくり溶けていくそうです。
A23aは海上を移動しているため、
今回、なぜ氷山の一部が崩壊したのか、
その明確な要因については
判明していないそうです。
観測は続きますが、この世界最大規模の氷山が
どのように崩壊するのか?
予測するのはとても難しいことだそうです。
科学者の見解では、
氷山がゆっくりと溶けて行っても
地球に影響することはないと言います。
それよりも気候変動などで
より多くのアイスシェルフが海面に浮かぶことになり
その氷山の溶解が加速して
海面上昇を引き起こす可能性が
全くないとは言い切れない、といいます。
気候変動で最悪の事態になる確率は
極めて低いそうですが、気候変動に対して
人類が手を打てることがあれば
一人一人の行動は小さくても
地球規模で大きな力につながることは
やっていきたいですね。
自然ドキュメンタリー番組で
氷山が崩壊する様子を見たことがありますが、
崩壊した氷が海へ堕ちていく時の
辺り一面にとどろく轟音、
波しぶきはとてつもない迫力でした。
もし近くにいたら
人間は小さくて
ひとたまりもないと思いました。
氷山の一角という諺がありますが、
これは氷山が、海上で見える部分より
海中で見えない部分の方が
はるかに大きい
(全体の7分の1)ことから
生まれた慣用句です。
良い意味での氷山の一角になることを
願っています。
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